日本応用動物昆虫学会誌 目次

和文誌表紙 日本応用動物昆虫学会誌 (和文誌)
Japanese Journal of Applied Entomology and Zoology

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    1巻(1957年)から43巻(1999)まで収録
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Japanese Journal of Applied Entomology and Zoology 46(4): 225-231

昆虫病原糸状菌Paecilomyces cicadae Samsonの土壌およびセミからの分離とモモシンクイガCarposina sasakii Matsumuraに対する殺虫活性

柳沼勝彦

鱗翅目幼虫を利用した釣り餌法および昆虫病原糸状菌分離用選択培地により日本全国より収集した土壌サンプルの中から,大型の分生子を形成するPaecilomyces属菌が4株分離された.また,茨城県内の山林において採集されたツクツクボウシの幼虫からPaecilomyces属の菌が5株分離された.それら菌株の培養的性質および形態的特徴は,土壌から分離された菌株の特徴と一致した.これら菌株のSDAY培地上のコロニーは,初め白色で,分生子が豊富に形成されると淡黄色となり,さらに培養が古くなると黄褐色となった.フィアライドはフラスコ型で細い頸部をもち,求基的に連鎖する分生子を形成した.分生子は円筒形で,大きさは7.1~12.9×1.8~3.6μm であった.また,それらを接種され死亡したモモシンクイガから伸長した分生子柄束の形態は両分離菌とも酷似していた.これらの結果から,両分離菌は同じ菌種であり,Paecilomyces cicadae Samsonと同定された.さらに,土壌分離菌とセミ分離菌は,モモシンクイガの幼虫に対してどちらも強い病原性を示し,103分生子/土壌1gの低濃度で病死率が100%に達した菌株があった.本菌種はモモシンクイガの微生物的防除の有効な素材であることが示唆された.

  • Received: 2002/03/15
  • Accept: 2002/09/09
  • Published: 2002/11/25

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