学会長からのご挨拶

2007-2008会長 国見 裕久(くにみ やすひさ)

会長写真

東京農工大学大学院共生科学技術研究院・生命農学部門教授

【自己紹介】
専門は昆虫病理生態学および害虫の微生物的防除に関する研究です。
趣味は、仏像鑑賞、旅行、音楽鑑賞(特にR&B)、テニスですが、趣味に没頭する時間が無いのが悩みです。

田付貞洋会長の後を受けて、本年から2年間会長の職を務めさせていただくことになりました。伝統ある日本応用動物昆虫学会の舵取りを任され、身の引き締まる思いです。微力ながら本会の発展のために、尽力したと考えておりますので、ご協力よろしくお願い致します。

日本応用動物昆虫学会は、1957年に創立され、51年の長い歴史をもつ学会です。この間、多くの先達のたゆまないご努力により、着実に発展してきました。本会は、時代に即した「改革」と民主的運営の「継続」を柱に、これまで活動してきました。私もこの良き伝統を堅持して、活動していきたいと思っています。

前期執行部は、(1)学会改革の定着とさらなる発展、(2)財政の改善、(3)会員の意識向上、(4)社会貢献、(5) 50周年記念事業 の5項目を中心に活動を行ってきました。今期執行部は、(1)~(4)の課題について、前期執行部で解決できなかった問題を中心に検討したいと考えています。

学会改革では、Applied Entomology and Zoology誌のさらなる認知度アップが重要な課題になると考えています。本誌のJ-STAGE月刊ヒット数は、昨年11月に1万5千件を突破し、着実に増大していますが、さらなる学会誌の改革を通して認知度を上げ、Impact Factor 1.0以上の雑誌にすることが重要であると考えています。

財政の改善では、会費の値上げ、会員制度の変更について、会員、評議員の皆様からの意見聴取を踏まえて、検討していきたいと思っています。本会では、これまでの執行部と事務局の方のたゆまぬ努力により、長らく会費の値上げを行わずに運営してきましたが、ここ数年、単年度ベースで赤字の状態が続いています。賛助会費や科学研究費補助金が無くなれば、直ちに大幅赤字に転落する危機的な状況にあります。安定的に学会を運営するためには、会費の値上げは避けて通れません。会員制度のあり方を含めて、この問題を検討していきたいと思います。

会員の意識向上では、前期執行部により学会ウェブサイトの改善、お知らせメールの発信等、大変な努力をして頂きました。今期もこれらの流れを尊重しながら、執行部と会員との意志の疎通がはかれるようにしていきたいと考えています。

社会貢献については、これまで本会は積極的な取り組みを行ってきませんでしたが、昨今の理科離れ現象や昆虫採集をする青少年の減少などを考えますと、これら青少年に対して昆虫学研究の魅力を学会として積極的に発信することが重要と考えています。さらに、一般の人やマスコミに対しても、本会が開催するシンポジウムや講演会を通して応用動物昆虫学のミッションを伝える必要があると考えています。

昨年、日本学術会議の大改革が行われ、これまでの8部制から、「人文科学部門」、「生命科学部門」および「理学・工学部門」の3部門制へ移行しました。日本応用動物昆虫学会は、「生命科学部門」で活動することになりますが、医学領域が中心をなす本部門で応用動物昆虫学の重要性を主張することが重要と考えています。学術分野あるいは一般社会の応用動物昆虫学への理解は不足しており、十分な評価が得られていないのが現状ではないでしょうか? 昨年、生産農学委員会の基に、「応用昆虫学分科会」が設立され、我が国における応用昆虫学の今後の在り方についての議論が始まっています。日本応用動物昆虫学会は、他の関連学会と連携して、わが国の応用昆虫学の発展に寄与することが重要であると考えています。

これら多くの課題を解決するためには、会員のご理解とご協力が無ければ成し得ません。会員の皆様からの積極的なご意見をお待ちしています。

(2007年1月)

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