応動昆、持続可能な社会を目指して: 一般社団法人 日本応用動物昆虫学会

学会長 矢野 栄二 (2017-18年度)


会長写真

近畿大学元教授、農学博士

1992年より農業環境技術研究所研究員研究所天敵生物研究室長、中央農業総合研究センター生物防除研究室長を経て、2006年より近畿大学農学部教授。

天敵昆虫による害虫の生物的防除、害虫・天敵の生態学及び行動学を専門とする。

本学会においては、「オンシツツヤコバチの利用技術の開発及び評価に関する研究」にて2002年度学会賞を受賞するとともに、編集委員長(2007~08年)、副会長(2015~16年)を歴任する。関西病虫害研究会 編集委員長・評議員、IOBC/APRS(有害生物生物的防除国際機構アジア太平洋地区)会長、IOBC/GLOBAL(有害生物生物的防除国際機構)副会長、日本農学会評議員。

この度、日本応用動物昆虫学会会長に就任しました。また学会の一般社団法人化にともない、法人の代表理事も務めます。法人の理事、運営会議のメンバーの皆様、代議員の皆様、学会員の皆様のご協力を得て、日本応用動物昆虫学会の運営、改革に尽力する所存ですので、なにとぞよろしくお願い申し上げます。

私は学部4年生の時に本学会に入会し、以来40年あまり本学会を国内での主な研究発表の場としてきました。掲載した学術論文数も本学会が最も多く、非常に思い入れの強い学会です。学会の役員としては、編集委員、評議員を経験し、近畿大学に奉職後は、編集委員長、近畿大学で開催された大会の大会長、副会長などを務めさせていただきました。今回は会長という大役を引き受けることになりましたが、皆様のご協力のもとに、全力で務めさせていただきます。

日本応用動物昆虫学会は、農林害虫、衛生害虫、有用昆虫などを対象とする応用昆虫学分野から昆虫や小動物を対象とする分類学、生理学、生態学、分子生物学などの基礎研究まで幅広い分野を網羅しています。学会名に「応用」があり、日本農学会に属する学会であることからも、農林水産業等の現場での問題に対する貢献を忘れてはならないと思います。これに関しては害虫管理のみならず、生物多様性保全、侵入・導入生物の影響、遺伝子組換え生物の影響などの問題に対する対応も同時に迫られています。学会としては基礎研究と応用研究の連携を推進する立場に立つべきと考えています。また害虫防除の現場に立つ公設試験研究機関などに対して有益な活動を行う必要があります。

学会誌発行は学会活動の最も重要な側面であり、英文誌Applied Entomology and Zoologyの発行をSpringer社に委託してから7年目を迎えました。英文誌のインパクトファクターはある程度改善されましたが、ここ数年停滞しています。今後は英文誌のインパクトファクターをさらに改善するような対策と、現場での技術開発に役立つ和文誌の特集を企画していきたいと思います。また英文誌の配布はオプション化して、印刷費を削減しました。この影響については今後調査し、会員サービスへつなげていきたいと思います。

日本応用動物昆虫学会は2017年2月に一般社団法人として登記を行い、3月末の東京農工大学大会会期中に開催された総会の決議を経て、4月から法人としての活動を開始しました。すでに園芸学会、日本育種学会、日本生態学会など関連の大規模学会が法人化しており、日本農学会も法人化の手続きを進めています。法人化するにはよいタイミングであり、学会としてのコンプライアンスも高まると思われます。今後は法人としての運営を進めていくことになりますが、学会としては初めてのことであり、一般法人法に則り、慎重に事務処理を進めたいと思います。会員の皆様のご支援、ご協力をお願い申し上げます。