応動昆、持続可能な社会を目指して: 一般社団法人 日本応用動物昆虫学会

学会長 松村正哉(2019~2020年度)

会長写真

農研機構 本部 企画戦略本部、博士(農学)

2005年より農研機構九州沖縄農業研究センター害虫管理システム研究室長、同虫害グループ長を経て、2018年10月より農研機構本部研究管理役、2019年4月からは同セグメント第4チーム長。

水稲害虫及び長距離移動性害虫の発生予察と害虫管理、害虫生態学を専門とする。

本学会においては、「イネウンカ類の発生予察と管理に関する一連の研究」にて2011年度学会賞を受賞するとともに、常任評議員(2013~2016年度)、副会長(2017~2018年度)を歴任する。

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このたび、一般社団法人日本応用動物昆虫学会の代表理事・会長に就任しました。これから2年間、役員及び運営会議メンバー、代議員の皆様のご協力を得て、日本応用動物昆虫学会の運営に尽力していきますので、会員の皆様、どうぞよろしくお願いいたします。

日本応用動物昆虫学会は1957年に創立され、60年以上の歴史を持つ学会です。設立60年を超えた2017年4月には、任意団体から一般社団法人に移行し、「一般社団法人及び一般財団法人に関する法律」に基づいて運営を進めてきました。この間、特段の問題もなく、2019年3月にちょうど2年が経過しました。今回、法人の定款・規程に基づく初めての役員交代を行い、法的な手続きも含めてすべて無事完了しました。今後も、法人格を持つ学会として、組織の基盤強化や社会的信用の増大をはかるべく、運営していきたいと思います。

2019~2020年度において最も重要となる本学会の活動は、2024年に開催予定の第27回国際昆虫学会議(International Congress of Entomology: ICE)を日本(京都)に招致することです。2024年の開催地は、2020年7月にヘルシンキで開催される第26回国際昆虫学会議(ICE2020)で提案し、決定されます。この招致に向けて、日本昆虫科学連合内に第27回国際昆虫学会議招致委員会が設置され、本学会からも委員が参加して招致活動を始めています。今後も学会の役員・運営会議メンバー総力を挙げて、招致に向けた活動を進めていきたいと思います。

国際学会が日本で開催されるとなれば、本学会員の皆様も多数参加して講演発表やポスター発表に参加していただきたいと思います。英語での口頭発表の資質向上の一環として、本学会では2年前の大会から、一般講演プログラムの一部について試行的に英語口頭発表部門を設け、優秀な発表には英語口頭発表賞(Best English Presentation Award)を授与する試みを始めています。これについては、今後、ポスター賞などと同様に規程や細則を整備して、学会としての正式な活動にしていきたいと考えています。

最も重要な学会活動のひとつに学会誌の編集・発行があります。英文誌Applied Entomology and Zoologyは、歴代の編集委員長や編集委員会メンバーの努力によって、一時はインパクトファクター(IF)が1.000を超えましたが、このところ、その値は若干下がって停滞しています。今後は編集委員長を中心に、認知度や会誌内容のさらなる向上とIFの上昇に向けて、いろいろな方策を検討していく予定です。また、和文誌に関しても特集号を組むなどの方策を引き続き進めていきたいと思います。

2010年に開催された生物多様性条約第10回締約国会議(COP10)において、「遺伝資源の利用と利益配分」(Access to genetic resources and Benefit Sharing: ABS)に関する名古屋議定書を採択しました。これが発効したことにより、昆虫を含む動植物や微生物などの遺伝資源を海外から日本に持ち込む場合、提供国側の法律に基づいて、事前に提供国との間で適正な取り決めの文書を交わすことが必要になりました。これらの手続きは提供国によってさまざまであるため、具体的な手続きをどのようにしたらよいか、わからないという声が多く上がっています。本学会では、この問題について、ここ数年、学会大会時に外部から専門家をお招きしてABS関連のセミナーを開いてきました。これについては今後も継続するとともに、ABS問題に対して、学会としてどのような対応をするかについて検討を始めたいと思います。

このほか、前期から、公立研究機関などに所属する会員が学会活動により参加しやすくなるように、テーマを決めて学会主催のセミナーを開いてきましたが、これについてもさらに充実させたいと思います。加えて、今期については、若手の会員の皆様にも学会活動により深く関わっていただくことを目的として、運営会議メンバーのうちの事務幹事を2名体制として、若手の会員お二人に担っていただいています。これらを通じ、本学会がさらに魅力のある、また参加したくなる学会となることを目指して、運営を進めていきたいと思います。会員の皆様、ご支援のほど、どうぞよろしくお願いいたします。

(現所属:農研機構 本部 企画戦略本部)

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