2022年6月アーカイブ

Applied Entomology and Zoology(AEZ)の2021年のインパクトファクター(IF)は1.504で、昨年度(1.403)を上回り、過去最高となりました。皆様のご協力に心より感謝申し上げます。一方で、ここ数年、掲載論文数の減少が顕著になりつつあります。その原因のひとつは、日本人グループ(ほぼ学会員)による投稿の伸び悩みです。AEZの全投稿数に占める日本人グループの割合は12.7%(2021年)まで低下しています。会員の皆様の積極的なご投稿を何卒よろしくお願い申し上げます。

日本応用動物昆虫学会誌(応動昆)の2021年のIFは0.391で、昨年度から変化なしでした。応動昆に関しては、相変わらず投稿数が伸び悩んでいます。その原因の一端として「査読が厳しすぎる」、「投稿からアクセプトまでの時間が長すぎる」などのご批判を受けており、現在編集委員会で改善策を検討しているところです。日本語論文をご執筆中の皆様におかれましては、投稿先として是非ともIF付の応動昆をご検討ください。応動昆への投稿、査読に関してご不明な点がございましたら、編集委員長あるいは和文誌編集責任者にお気軽にお問い合わせください。何卒よろしくお願い申し上げます。

  • 公募〆切: 令和4年7月27日(水曜日)13時00分(必着・締切日・時間厳守)

農研機構では、令和5年(2023年)4月1日採用に向けて、以下のウェブサイトで募集要項と採用スケジュールを公開しています。

若手任期付研究職員の採用は、独立して研究する能力を持ち、研究者として高い資質が必要とされる研究業務に一定の期間従事させる人材を募集する観点から実施するものです。

応用昆虫学に関連する研究分野の公募は以下の4件です。

  • N545 植物防疫研究部門(広島県東広島市)
  •  天敵誘引物質等を活用した果樹難防除害虫の生物的防除技術の開発
  • N524 西日本農業研究センター(広島県福山市)
  •  みどりの食料戦略を推進する生物資源を活用した害虫管理技術の開発
  • N538 生物機能利用研究部門(茨城県つくば市)
  •  腐食性昆虫ミズアブの消化・生殖制御と有機廃棄物リサイクル技術の開発
  • N539 生物機能利用研究部門(茨城県つくば市)
  •  害虫特異的な新規作用点を有する制御剤の創出

京都大学大学院農学研究科・昆虫生理学分野では、特定准教授または特定助教を募集しております。ご興味のある方はぜひご連絡ください。本募集に関心のありそうな方への周知も歓迎いたします。

  • 職務内容:
  • ・ムーンショットプロジェクト「先端的な物理手法と未利用の生物機能を駆使した害虫被害ゼロ農業の実現」の研究課題「天敵昆虫ゲノム編集育種」に関する基礎的・応用的研究の推進。
  • ・天敵昆虫カメムシ類をはじめとする昆虫ゲノム編集技術開発および樹立系統の形質評価。
  • ・大学院農学研究科および農学部で下記の授業科目を担当する。
  • 大学院:昆虫生理学専攻実験、昆虫生理学専攻演習など
  • 学部:植物保護科学演習、資源生物科学実験及び実験法など
  • 勤務先:
  • 京都大学大学院農学研究科 昆虫生理学分野(京都市左京区)
  • 応募条件等:
  • ・昆虫科学、ゲノム科学、分子遺伝学のいずれかに関する高度な専門知識をもつ方。
  • ・周りの教職員と協力し、協調性を持って研究・教育および組織の運営を行うことができる方。
  • 雇用期間:
  • 令和4年10月1日以降できるだけ早い時期~令和7年3月31日
  • 問い合わせ先:
  • 大門高明
  • daimon.takaaki.7a(at)kyoto-u.ac.jp(@は(at)に変えてあります)
  • 075-753-6308

日本昆虫科学連合および日本学術会議共催の公開シンポジウムの参加登録が6月17日18時まで延長されました。まだの方はぜひご登録ください。また、研究室の方々、周囲の学生の皆さんに周知していただければ幸いです。

  • シンポジウム開催日時:2022年6月18日(土)13時~
  • タイトル:「ムシを極める!昆虫分類学のフロンティア」
  • 開催方法:Zoomウェビナー
  • 参加費:無料
  • 定員:1000名
  • 事前登録が必要です。
  • プログラム
  • 13:00 日本学術会議農学委員会応用昆虫学分科会活動報告
  •  小野 正人(日本学術会議連携会員、玉川大学学術研究所所長)
  • 13:15 日本昆虫科学連合活動報告
  •  志賀 向子(日本学術会議連携会員、日本昆虫科学連合代表、大阪大学大学院理学研究科教授)
  • 講演
  • (座長)池田 素子(日本学術会議第二部会員、名古屋大学大学院生命農学研究科教授)
  • 13:30 「昆虫多様性のフロンティアを求めて」
  •  前藤 薫(神戸大学大学院農学研究科教授)
  • 14:00 「線虫の記載分類:隠蔽種との戦い」
  •  神崎 菜摘(森林総合研究所関西支所主任研究員)
  • 14:30 「やっててよかった昆虫分類学」
  •  井手 竜也(国立科学博物館 動物研究部研究員)
  • 15:00-15:20 ( 休憩 )
  • 15:20 「アマチュアが分類学を楽しむこと・できること」
  •  河上 康子(大阪市立自然史博物館外来研究員)
  • 15:50 「アリの巣をめぐる旅」
  •  丸山 宗利(九州大学総合研究博物館准教授)
  • 16:20-16:45 総合討論

皆様のご登録、ご参加をお待ちしています。

第31回木原記念財団学術賞 受賞候補者 推薦依頼

(公財)木原記念横浜生命科学振興財団より、表題についての推薦依頼がありました。学会長からの推薦を希望される方は、推薦書類一式を学会事務長宛てmanager(at)odokon.org (@は(at)に変えてあります)に電子メールに添付してご送付ください。

  • 本賞の詳細については、以下のウェブサイトをご覧ください。
  • https://kihara.or.jp/news/news-243/
  • 提出期限:2022年9月9日(金) 17:00 必着
  • ・賞および奨励金等候補者選考委員会で審議し、候補者の推薦を決定します。
  • ・推薦等要項をよくお読みいただき、各書類をご準備の上、ご提出ください。
  • ・ご質問などがある場合には、事務長宛にご連絡ください。

(公財)岩谷直治記念財団より、表題2件についての案内・推薦依頼がありました。

第49回岩谷科学技術研究助成は、所属機関長・部局長相当からの推薦となります。応募される場合は各自の所属機関ごとに対応いただきます。

第49回岩谷直治記念賞は、所属学協会または所属機関長相当からの推薦となります。学会長からの推薦を希望される方は、推薦書類一式を学会事務長宛てmanager(at)odokon.org (@は(at)に変えてあります)に電子メールに添付してご送付ください。

  • 各賞の詳細については、以下のウェブサイトをご覧ください。
  • http://www.iwatani-foundation.or.jp/bosyu.html
  • 提出期限(第49回岩谷直治記念賞についてのみ):2022年8月10日(水) 17:00 必着
  • ・賞および奨励金等候補者選考委員会で審議し、候補者の推薦を決定します。
  • ・推薦要項をよくお読みいただき、各書類をご準備の上、ご提出ください。
  • ・ご質問などがある場合には、事務長宛にご連絡ください。

令和5年度 科学技術分野の文部科学大臣表彰についての推薦依頼がありました。学会長からの推薦を希望される方は、推薦書類一式を学会事務長宛てmanager(at)odokon.org (@は(at)に変えてあります)に電子メールに添付してご送付ください。特に女性と海外を拠点に研究活動を行っている方々(日本国籍)のご検討をどうぞよろしくお願いいたします。

日本学術会議若手アカデミーでは、「若手研究者をとりまく評価に関する意識調査(webアンケート)」を実施いたします。 若手研究者のより良い研究・学術活動を可能にする環境構築に向けた調査となりますので、若手研究者の方々(大学院生や専門職を含む)はアンケートにご協力いただきますようお願い申し上げます。

  • 1. 調査目的
  • 世界的な競争、評価をめぐる問題、キャリアパスに関する課題など、若手研究者をめぐる研究・知識生産の環境は多くの課題を抱えています。この調査では、若手研究者にとっての評価について分析することで、知識生産をめぐるより良いエコシステムの形成に寄与することを目的としています。
  • 2. 調査対象
  • 45歳未満の若手研究者の方々(大学院生や若手の専門職を含む)
  • 3. アンケートサイト
  • URL(こちらから任意でご回答ください): https://r10.to/yaj2022
  • 所要時間: 10分程度
  • 回答締切: 2022年7月5日(火)
  • 4. 結果の公開
  • 得られた結果は、学術的な分析を行った上で、報告書やオープンアクセス論文などの形で公開・議論します。そして報告やデータに基づいた提案を、政策担当者をはじめ広く社会に共有していくことで今後の研究エコシステムのあり方とそのための科学技術・学術政策を考察するために積極的に活用していきます。また、ご回答いただいたデータは、個人が特定されない形で、多様な方の検討や学術的利用の促進のためにオープンアクセス化を行います。
  • <アンケート問い合わせ先>
  • 日本学術会議若手アカデミー 小野 悠
  • E-mail: 25yaj-survey(at)googlegroups.com (@は(at)に変えてあります)

この本の著者は,1980年代~2000年代に天敵昆虫学や生物的防除の分野で活躍し,2008年ウルフ賞(農学分野)を受賞したアメリカの昆虫学者,W. Joe Lewis 1)である。天敵昆虫や生物的防除を研究した人ならなじみ深い名前だと思う。著者は,ScienceやNatureに発表した論文をはじめとして天敵昆虫学の分野で多くの業績を残しただけでなく,持続的農業システムの概念を提唱した 2)。また,地域コミュニティ活動を精力的に行い,ジョージア州ティフトン市の副市長にもなった異色の昆虫学者である。この本は80歳となった著者が自分の半生を振り返りながら,昆虫学者としてこれまでに解明してきた多くの作物,害虫,天敵の相互作用,持続的農業システムや持続的社会形成の構築のための概念を,自分の言葉で説明したものである。

1章から4章は,ミシシッピの田舎で小作の子として生まれた自分の家族とその生活,小さな田舎の農村の,みなが互いを知るコミュニティの中で貧しいながら家族や地域の人たちとふれあい,子供のときからラバを操り,ローテクの農作業を手伝いながら自然の中で生き物とふれあった様子,などがエピソードも交えて描かれている。5章では,急速なアメリカ近代化の波がミシシッピの田舎にも押し寄せ,家族は小作農を辞めざるえない状況を,6章では,ミシシッピ州立大学へと進み,ワタの害虫やその天敵の研究を行い24歳で博士号を取得する過程が描写されている。1980年代以降アメリカの天敵昆虫学研究の基礎を構築したSB Vinson,将来共同研究の重要なパートナーとなるJH Tumlinsonやその他の研究者とミシシッピ州立大学で出会っている。7章は,ジョージア州のティフトンにあるアメリカ農務省の研究施設に職を得て,本格的な研究を開始する内容となっている。チームによる共同研究により,多くの新たな現象(3者系:植物―食植性昆虫―寄生蜂,寄生蜂の学習など)を解明した経緯が書かれている。1980年代から2000年代にかけては,化学分析を担うTumlinsonとコンビを組み,ヨーロッパの天敵昆虫学や生物的防除研究のメッカといえるオランダのワーゲニンゲン大学のJC van LenterenやLouise EM Vetらのグループとも共同研究を展開した。1980年代後半から1990年代前半には,2000年代以降の天敵昆虫学をリードすることになるTed Turlings,Felix Wäckers,Consuelo De Moraesといった優秀な若手研究者が研究チームに加わった。9章では,持続的農業の実践の試みとそのシステムの基本的概念,10章以降では,研究者としての立場を超え社会の一員としての活動を通して,現在の地域コミュニティの問題点を指摘し,持続的な社会形成の概念を説明し,将来の持続的社会形成への提言を行っている。

持続的社会という理想からは程遠い社会の現状であるが,著者は現状を悲観することなく,自然が本来持つ持続可能性を学び利用すれば,持続的社会形成へと軌道修正可能であると確信し,将来に向けての希望をつづっている。この本では,著者がこれまでに関わってきた数多くの昆虫学者の名前がもれなく述べられており,著者の気遣いと一期一会を大切にしてきた気持ちが感じられた。また,彼のたぐいまれな生い立ちが,長期間かけてチームを組んで行ったさまざまな植物と昆虫の不思議の解明,持続的農業の概念の発展,持続的社会の構築といった多方面の活動を,常に前向きに忍耐強く継続させる素養やエネルギーを生みかつその原動力となっていることが分かった。小生は1990年から3年以上Joe Lewisの研究室に滞在し,彼の定年まで共同研究を行った。学会の講演でも時として持ち時間の半分以上を小話に費やしてしまうほど,とにかく話好きの人である。本の中で出てくる数々のエピソードを読んでいると,南部訛りの言葉で微笑みながら小話をする彼の様が目に浮かんだ。本著は昆虫学の専門書ではないが,著者の天敵昆虫学に関する研究の話が多く登場する。また,読みやすく書かれており,昆虫学を超えて持続的な農業や地域コミュニティの在り方を教えてくれる一冊である。将来の昆虫学や持続的農業の発展を担う学生諸君に一読を勧める。

東北大学大学院農学研究科 応用昆虫学分野では、ムーンショット型農林水産研究開発事業で学術研究員(ポスドク)を募集します。ご興味のある方はぜひご連絡ください。また、本募集に関心のありそうな方への周知も歓迎いたします。

    プロジェクト名:

  • 内閣府ムーンショット型農林水産研究開発事業
  • 「先端的な物理手法と未利用の生物機能を駆使した害虫被害ゼロ農業の実現」
  • 研究内容:

  • 青色レーザーを用いた害虫防除技術の開発(害虫類に対する青色レーザー光の効果、殺虫効果の詳細解析などを担当)
  • 勤務先:

  • 東北大学大学院農学研究科 応用昆虫学分野(仙台市青葉区荒巻字青葉468-1東北大学青葉山キャンパス内)
  • 応募条件等:

  • ・博士の学位を有する方、または採用までに取得見込みの方
  • ・本研究に意欲的に取り組み、研究室内外の共同研究者と協調して研究を進めることのできる方
  • ・応用昆虫学・昆虫科学の研究経験・研究歴のある方が望ましい。
  • 募集期間:

  • 2022年8月30日必着
  • ただし、募集終了前に採用者を決定する可能性があります。
  • 勤務形態:

  • 非常勤(任期あり)
  • 雇用期間:着任〜2023年3月末まで
  • (雇用期間満了後、業績に応じて2025年3月31日まで雇用期間を更新する可能性あり(年度更新))
  • 問い合わせ連絡先:

  • 〒980-8572 宮城県仙台市青葉区荒巻字青葉468-1
  • 東北大学大学院農学研究科 応用昆虫学分野 堀雅敏(教授)
  • Tel : 022-757-4254 
  • E-mail : masatoshi.hori.a3(at)tohoku.ac.jp(@は(at)に変えてあります)
  • 応募書類は上記宛にメール添付でお送りください。
  • 公募URL:

  • ・jREC-IN
  • https://jrecin.jst.go.jp/seek/SeekJorDetail?fn=2&id=D122051962&ln_jor=0
  • ・大学HP
  • https://www.tohoku.ac.jp/japanese/2022/06/employ20220601-06.html

摂南大学農学部 応用昆虫学研究室では、ムーンショットプロジェクトに従事する特任助教(ポスドク)を1名募集します。ご興味のある方はぜひご連絡ください。

    プロジェクト名:

  • 内閣府ムーンショット型農林水産研究開発事業
  • 「先端的な物理手法と未利用の生物機能を駆使した害虫被害ゼロ農業の実現」
  • 研究内容:

  • 生物由来化学物質を利用した天敵昆虫(ハナカメムシ類他)の行動操作による捕食効率の向上に関する研究
  • 勤務先:

  • 摂南大学農学部 応用昆虫学研究室(〒573-0101大阪府枚方市長尾峠町45-1)
  • 応募条件等:

  • 1. 博士の学位を有する方(学位取得予定者を含む)。
  • 2. 本研究に意欲的に取り組み、研究室内外の共同研究者と協調して研究を進めることのできる方。
  • 3. 昆虫化学生態学分野の研究経験のある方が望ましい。
  • 公募期間:

  • 2022年6月30日 必着
  • 雇用期間:

  • 2022年8月1日~2025年3月31日
  • *手続き上、着任時期が変更になる場合があります。
  • 公募URL:

    https://jrecin.jst.go.jp/seek/SeekJorDetail?fn=4&id=D122051582&ln_jor=0

    問い合わせ先:

  • 石川 幸男
  • yukio.ishikawa(at)setsunan.ac.jp(@は(at)に変えてあります)
  • 072-896-5317

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