2016年12月アーカイブ

【応動昆 お知らせメール】 598号

日本応用動物昆虫学会会員の皆さまへ

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「お知らせメール」 2016/12/25
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■■ 目次 ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■

■ ■ 【書評】鱗翅類学入門―飼育・解剖・DNA研究のテクニック―

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●会員情報変更は https://service.dynacom.jp/odokon/member/ から

■【書評】

鱗翅類学入門―飼育・解剖・DNA研究のテクニック―
那須義次・広渡俊哉・吉安 裕 編著(2016)
東海大学出版部,神奈川県,295頁,4800円(税別)(ISBN978-4-486-02111-7)


学会ウェブサイトの書籍紹介ページに、書評を掲載しました。
http://odokon.org/archives/2016/1223_1458.php

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■ 本メールは、日本応用動物昆虫学会会員の方へ、
■ 常任評議員会の承諾を得て、電子広報委員会が配信しています。

■ 本メールに関するお問い合わせは、
■ mailto:)manager(at)odokon.org まで お願いいたします。
■ (@は(at)に変えてあります)
■ 日本応用動物昆虫学会 website http://odokon.org/

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【応動昆 お知らせメール】 597号

日本応用動物昆虫学会会員の皆さまへ

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「お知らせメール」 2016/12/24
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■■ 目次 ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■

■ ■ 研究員募集のお知らせ

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●会員情報変更は https://service.dynacom.jp/odokon/member/ から

■ 研究員募集のお知らせ

【求人内容】
現在、当研究室では昆虫のストレス順応性獲得の分子メカニズムについて
研究を行っています。ストレス順応性という生理的潜在能力を新しい切り
口から解析しようという研究です。この種の研究に興味のある方であれば、
博士号を保持していなくても結構です。ご不明な点などありましたら、
お気軽に下記連絡先までお問い合わせください。
【勤務地・採用時期】
佐賀大学農学部応用生物学科・昆虫学研究室
2017年4月1日より
【給与・待遇】
佐賀大学契約職員就業規則に基づきます。1年毎の契約で最長4年です。
【募集期間】
2016年12月21日 ~ 2017年2月3日
【応募方法】
下記書類を電子メールにてお送りください。
 1.履歴書
 2.これまでの研究概要(1,000 ? 2,000字)
 3.業績リスト
 4.応募者に関する所見をいただける方の氏名と連絡先
  (e-mail  address, 電話番号)
*応募に際して頂いた情報は、本選考目的以外には一切使用しません。

【連絡先】
佐賀大学農学部応用生物科学科
昆虫学研究室
早川 洋一
Tel/Fax: 0952-28-8747
Mail: hayakayo@cc.saga-u.ac.jp

        (佐賀大学 早川洋一)

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鱗翅類学入門: 飼育・解剖・DNA研究のテクニック

なにをするにもコツがある.限られた人々にのみ知られ,受け継がれるならば,そのコツは秘伝となる.調理はさ(・)し(・)す(・)せ(・)そ(・) やお袋の味に代表されるように,コツや秘伝に満ちており,豊富な食材と多様な料理とあいまって,関連本は書店の棚の一角を占める.

私が勤務する大学の書店でも,女子大ということもあり,新学期が始まる4月には一人暮らしになる学生向けに,料理関連本が山と積まれる.

応動昆会員にあっても,研究にともなう様々な作業はコツと秘伝に満ちているのではないだろうか.昆虫の採集や標本の作成はその最たるもののように私には思われる.灯火採集での明かりの種類や幕の張り方,枠や支柱の材質と組み方は個人によってまちまちであり,中には思わず唸ってしまうほどよく練られたものもある.交尾器(genitalia)のプレパラート標本の作製ともなると,出身研究室の流儀が色濃く表れ,それは秘伝と言ってもよいだろう.報告書や論文に記載される採集法や標本作成法は極めて簡潔であり,そこからコツや秘伝を読み取ることは不可能である.

そこで本書の登場となる.本書は,チョウやガを研究する際に必要となる採集や飼育,解剖,標本作製,さらには塩基配列情報の解析,標本データの管理などに関する技法を執筆者自身の実践と経験に基づき,豊富な写真や線画をもちいて丁寧に解説した手引き書であり,コツと秘伝が満載である.なかでも,交尾器や翅,幼虫のプレパラート標本の作製手順は微に入り細に入り示され,自作の小道具の紹介もあり,自己流で不都合なく通してきた読者にも参考になる点が必ずやあるはずである.自作という点では,ホームセンタ-や雑貨屋で売っている品で安価に作れる高枝用カッター付き捕虫網と吹き流し式円筒形飼育ケージはスグレモノである.対照的に,交尾器の鱗粉除去用に,シギ類の翼角部にある小さな羽毛(1個体から2本程度しか採れないらしい)で作った筆はマニアックすぎるが,他の材料で代用して試作を繰り返してみる価値はありそうだ.

こう書いてくると,本書は技術と道具の解説書と受け取れかねない.もちろんそれは一面的見方である.そもそも,苦労して昆虫を採集し,手間と時間をかけてきれいな標本を作るのは,一義的には詳細に形態を観察するためである.したがって,本書は形態観察の解説にも力点を置いており,そのこともここで強調しなくてはならない.圧巻なのは成虫腹部の内部形態の観察と解剖を記した項である.腹部の内部形態を描いた図は洋書を含む幾多の本で見慣れているが,本書のそれは他を圧倒する.また,本邦ではこれまでほとんど解説されていなかった交尾器に係わる筋肉系についても図にもとづいて詳しく描述されている.執筆者の思いがひしひしと伝わる貴重な一節である.

本書を通読して思うことは,私がこれまで培ってきた技法にもまだまだ改良・改善の余地がある,ということである.これは,料理本を開くたびに思うことでもある.料理本とちがって,鱗翅類の観察技法をここまで詳しく解説した類書は欧米にもなく,自己流の限界を思い知らされた.

本書には執筆者が普段採用している手法であっても,ごく限られた人達でしか知られておらず,他の昆虫にも適用できそうななにげない工夫や注意点が随所に記されている.また,ここでは詳しく触れないが,「塩基配列の情報を用いた研究」,「成果と利用の公表」,「標本の保存と利用」の章では,昆虫全般に活用できる裏技的情報がちりばめられている.

このように,本書は手引き書とは言え,通読して損はない一冊だと思う.と同時に,私が勤務する女子大の書店に本書が入荷することは決してないだろうけれど,どこかの書店で,山と積まれた料理関連本を横目で通り過ぎ,本書を手に取る女子学生を目にしたいと,切に思う.そして一人でも多くの虫愛づる姫君の誕生を望みたい.

【応動昆 お知らせメール】 596号

日本応用動物昆虫学会会員の皆さまへ

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「お知らせメール」 2016/12/23
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■■ 目次 ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■

■ ■ 平成29年度生物資源ゲノム解析拠点共同研究の募集について

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■ 平成29年度生物資源ゲノム解析拠点共同研究の募集について

平素より、東京農業大学生物資源ゲノム解析センターへのご理解、ご支援を
賜り深く感謝申し上げます。
本センターでは平成25年度より生物資源ゲノム解析拠点として、農学分野
を中心に次世代シーケンサーによる遺伝情報解析研究を行っております。
この度、平成29年度共同研究の募集をおこなうこととなりました。つきま
しては、貴学会の各研究者の皆様にご周知の程よろしくお取り計らいくださ
いますようお願い申し上げます。公募要項や申請書につきましては、本セン
ターホームページ( http://www.nodai-genome.org/gabase/index.html )を
ご参照ください。
ご高配のほど何卒よろしくお願い申し上げます。

<本件に関するお問合せ先>
 東京農業大学生物資源ゲノム解析センター
 事務担当・阿部 浩子
 〒156-8502 東京都世田谷区桜丘1-1-1
 TEL:03-5477-2719 FAX:03-5477-2377
 E-mail:kyoten-g@nodai.ac.jp

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平素より、東京農業大学生物資源ゲノム解析センターへのご理解、ご支援を賜り深く感謝申し上げます。
本センターでは平成25年度より生物資源ゲノム解析拠点として、農学分野を中心に次世代シーケンサーによる遺伝情報解析研究を行っております。この度、平成29年度共同研究の募集をおこなうこととなりました。公募要項や申請書につきましては、本センターホームページ( http://www.nodai-genome.org/gabase/index.html )をご参照ください。

<本件に関するお問合せ先>
東京農業大学生物資源ゲノム解析センター
事務担当・阿部 浩子
〒156-8502 東京都世田谷区桜丘1-1-1
TEL:03-5477-2719 FAX:03-5477-2377
E-mail:kyoten-g(at)nodai.ac.jp
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【応動昆 お知らせメール】 595号

日本応用動物昆虫学会会員の皆さまへ

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「お知らせメール」 2016/12/9
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■■ 目次 ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■

■ ■ 第339回 昆虫学土曜セミナーのご案内

■   ■ 【書評】天敵活用大事典

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■ 第339回 昆虫学土曜セミナーのご案内

話題:生態学における生息地の連結性:概念から応用まで
講演者:宮下直(東京大学)
日時:2016年12月17日(土)14:00-17:00
場所:岡山大学農学部一号館一階一番講義室

(岡山大学 高橋一男)

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■ 【書評】

天敵活用大事典 農文協編
(編集協力:後藤千枝・大野和朗・平井一男・井原史雄) 農文協,東京,
824頁, 24,840円(税込)

学会ウェブサイトの書籍紹介ページに、書評を掲載しました。
http://odokon.org/archives/2016/1207_1234.php

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【書評】天敵活用大事典

「天敵活用大事典」と題する、B5判(一般的な大事典サイズ)で824頁(うちカラー口絵144頁)の本が、2016年8月に農文協から刊行された。これは、農文協が2004年に刊行した「天敵大事典」(上巻(572頁)、下巻(590頁)、A5判(学術書サイズ))を全面的に増補・改訂したもので、前書に比べ、著者数も62名から123名と大幅に増え、各項目の掲載順も一新されているので、内容的にも別の書籍ということになる。本書は、現在わが国で得られる、環境保全型農業における、天敵利用の基礎から応用に関するほとんどの情報を、幅広く網羅するという内容になっており、各県の農業改良普及センターや試験・研究センターだけでなく、病害虫防除関係の独立行政法人などの公的研究機関や、農業関連の大学の研究機関に常備すべき書籍であるといえる。

農文協からは、この書籍とは別に、加除式出版物として、1988~1998年に「農業総覧 病害虫防除・資材編 全11巻」が刊行されており(初回配本は第2巻)、こちらの出版物は、逐次シート(追録)が追加され、2015年(追録20号)では、第11巻「土着天敵・天敵資材編」の内容が追加・更新された。生物的防除に関する、科学技術の急速な進歩に対応するためには、加除式出版物というアイデアは、最新の知識や技術を迅速に取り入れられるという利点はあるが、学術研究論文等で引用する場合には、一般には、ジャーナルや書籍という形で出版されたものを引用する必要があり、製本された「天敵活用大事典」は、研究者にとっても便利である。また、加除式出版物の方は、11巻全巻を並べると、書架1段全部をほぼ占めてしまうという分量なので、個人で常備するというより、必要なときに、図書館あるいは図書室で利用するという出版物サイズである。一方、「天敵活用大事典」の方は、大辞典1冊分のサイズであり、机上に常備できるサイズである。

本書の構成は4部構成で、「天敵資材」「土着天敵」「天敵活用技術」「天敵活用事例」となっており、前半の「天敵資材」と「土着天敵」は、個々の天敵種について、種ごとの記述になっている。ここが「天敵事典」にあたる部分で、後半の「天敵活用技術」と「天敵活用事例」は、天敵活用法の解説集である。前半の「天敵資材」「土着天敵」のうち、「天敵資材」とは農薬取締法の対象になる天敵のことであり、これは、わが国の農薬取締法に従って、こうなっている。つまり、同種の土着天敵が、「製剤化」され市販されていれば「殺虫剤」となり、農家が自分で採集・増殖し、利用すれば「特定農薬」となる。しかし、自然に発生する土着天敵を「保護利用」すれば、農薬ではない。同じ土着天敵でも、採集・増殖すれば「農薬」であるという取り扱いは、世界的なスタンダードではないが、わが国の法律には従わざるを得ない。同じ天敵の記述が「天敵資材」と「土着天敵」で、複数回出てくるというのは、わが国ならではの特殊事情である。

次に、後半の「天敵活用技術」「天敵活用事例」は「天敵活用法」にあたる部分で、「天敵活用技術」には、「天敵の保護・強化法」と「天敵の同定法」の部分に分かれるが、「天敵の同定法」は、どちらかというと、前半の部分に加えるべき内容であったかも知れない。しかし、わが国における、総ての天敵種についての詳しい同定法が確立している訳ではないので、とりあえず「天敵活用技術」の一部として扱われている。一方、「天敵活用事例」は、先進的な活用事例を作物別に列挙してあり、まだ全体として体系化されたものではないが、応用の現場では、最も参考になる部分であるかも知れない。

本事典は、わが国における天敵活用技術に関する情報の、現在における総てを、何とか一冊の事典に集めたいという意気込みで編集されている。従って、現在進行形の形で、日々研究が進展している「天敵活用技術」の全部を、統一的にまとめることは不可能に近く、現時点では、この様な形になっているのは、致し方ないといえる。事典のような出版物は、実際に出版され、様々な部局で利用され、そこから寄せられる質問や要望を基に、何度か改訂することによって、より完成された形になっていくものであろう。農文協が、わが国における「天敵利用」の総ての情報を網羅する事典を企画し、出版にこぎ着けたということは、天敵利用にかかわる関係者にとって、とりあえず大きな朗報である。

第339回 昆虫学土曜セミナーのご案内

話題:生態学における生息地の連結性:概念から応用まで
講演者:宮下直(東京大学)
日時:2016年12月17日(土)14:00-17:00
場所:岡山大学農学部一号館一階一番講義室

(岡山大学 高橋一男)

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