2018年3月アーカイブ

農林水産省農林水産技術会議事務局筑波産学連携支援センターでは、産学官試験研究機関の研究者、農業関連の技術者(農業を対象とした課題に取り組む他分野の研究者、技術者を含みます)を対象とした第210回農林交流センターワークショップ「栽培試験における気温の観測技法と利用」を開催します。

 

本ワークショップは、気象を専門としない農業関連の研究者や技術者を対象として、作物が栽培される環境において気温を正しく観測して利用するために必要な一連の知識と技法を総合的に習得できる機会を提供します。  

応募等の詳細は、ホームページでご確認下さい。

日時:2018年6月6日(水)~6月8日(金)
会場:農林水産省農林水産技術会議事務局 筑波産学連携支援センターほか(茨城県つくば市観音台2-1-9
※申込み締め切りは、4月19日(木)です。
(問い合わせ先)
農林水産技術会議事務局筑波産学連携支援センター
コーディネーション推進課 鈴木(すずき)、木暮(きぐれ)
TEL:029-838-7136 FAX:029-838-7204
E-mail:koryu7129(at)cc.affrc.go.jp
※ @は(at)に変えてあります。
ホームページ(トップページ):
http://www.affrc.maff.go.jp/tsukuba/top/index.html
住所:茨城県つくば市観音台2-1-9
  • 話題: Interactions between Drosophila, moulds and yeasts
  • 講演者: Andrew Davis (Max Planck Institute for Chemical Ecology )
  • 日時: 2018年3月29日(木)14:00-17:00(いつもと曜日が異なります)
  • 場所: 岡山大学農学部一号館一階一番講義室

天敵利用研究会ウェブサイト移転のお知らせ

天敵利用研究会では、このたびウェブサイトを移転し、リニューアルしました。新サイトのURLは以下のとおりです。

なお、平成30年度の大会は2018年11月19~20日に大阪で開催します。詳しくはウェブサイトをご覧ください。

新刊紹介: 考える花 / 感じる花

本書のタイトルから、私はパンセの一節を最初に連想した。人間は考える葦である、という有名な一節は、人を自然界で最も弱いものとして葦に喩えることで、人間の尊厳のすべてが思考の中にあることを鮮明に描き出している。本書は、本来持たないであろう「考える」、「感じる」という特徴を与えることで、花の何を描き出そうとしているのか。

本書は、2015年に出版されたスティーブン・バックマン著The Reason for Flowersの邦訳版である。原著は一冊だが、前半を「考える花」、後半を「感じる花」として2冊に分けて出版された。バックマン博士は、アリゾナ大で送粉生態学を専門とする研究者であり、随所に花と昆虫の物語が登場する。応動昆会員にとっては興味深い話題も多いはずだ。 著者は前編と後編を異なる視点で論じているが、タイトルでは花という同一の主体を形容しているところに、訳者の巧みさが光る。前編「考える」における主体は花である。花が子孫を残すために、いかに巧みに動物たちに花粉を運ばせているか。その洗練された戦略を描き出すのに、考えるという言葉は、まさにふさわしいだろう。ほんの一例を示すと、送粉の報酬としてシタバチに性フェロモンの材料を提供するラン。ハエを一晩、花の中に監禁して、花粉を纏わせるウマノスズクサ。そして、花咲く植物の世界の中で、人間が花粉媒介者としてあり続けてきた歴史を紹介する。

一方で、後編「感じる」では、花の味、彩り、香りを様々な営みに利用してきた人間が主体となっている。つまり、花を感じる人間の歴史、芸術、文化を描き出そうとしている。話題は、身の回りに溢れる香料、花をモチーフにした絵画、シェークスピア文学から、果ては日本の古今和歌集にいたる。花にまつわる逸話を網羅しようとする著者の試みが感じられる。

本書は、最新の行動、送粉、化学生態学的なトピックを紹介するだけでなく、世界各地の花とそれにまつわる文化を多岐にわたる資料から引用し、詩情にあふれる表現でレビューしている。読み進めていくと、嗅覚受容の分子振動論者(現在では、立体構造説が有力とされる)としての著者を垣間見ることもでき面白い。著者の研究者としての側面だけでなく、文化人としての深い教養を感じる一冊である。本書の内容とは直接の関係はないが、原著に対する書評陣がたいへん豪華であり、それも楽しめる。ぜひ2冊合わせての購読をおすすめしたい。

概要

「国際植物の日(5/18)」"Fascination of Plants Day"は、植物の大切さを考える日です。本ミニシンポジウムでは、植物保護において重要な役割を果たすカブリダニ類の行動生態学的研究で世界的に著名なPeter Schausberger教授(オーストリア、ウィーン大学 / JSPS外国人招へい研究者)をお招きして、筑波研究学園都市で活躍する3人の研究者とともに、植物に支えられる、または植物を支える生き物たちに関する研究を、基礎から応用まで幅広く紹介します。奮ってご参加いただければ幸いです。

開催日時:
4/21(土) 14:00~16:00
会場:
筑波大学 総合研究棟A棟 A110
※ つくば駅から筑波大学中央行きバスで15分、駐車場あり
アクセス:
http://www.tsukuba.ac.jp/access/
参加費:
無料(参加登録不要)
言語:
英語(同時通訳はありません)

備考

当日、同じ会場にて、小学生~一般向けの「国際植物の日」イベントがいくつかあります(イベント一覧)。また、筑波大学学内にて科学技術週間「キッズユニバーシティ」を同日開催しております(科学技術週間「キッズユニバーシティ」案内)。あわせてご参加ください。

また、ミニシンポジウム後、交流会を企画しています。参加希望者は、案内チラシにある連絡先まで、ご連絡ください。

主催:
筑波大学生命環境系
共催:
農研機構中央農業研究センター

農研機構畜産研究部門飼料作物研究領域では、「子実用トウモロコシ生産安定化のための総合的害虫管理技術の開発」の課題を担当していただける若手任期付研究職員を募集しています。

対象は博士の学位を有する(取得見込を含む)、又は博士号取得と同等の能力を有する方で、任期は原則3年、勤務地は栃木県那須塩原市です。

詳しくは、下記の農研機構採用情報サイトに掲載されていますので、興味のある方は是非、ご覧ください。

皆様のご応募をお待ちしております。よろしくお願いいたします。

人類は長い間、多くの病気と闘って来た。また、農作物の病害虫にも悩まされて来た。20世紀半ばに開発された抗生物質と農薬は、これらの病気と病害虫に卓効をあらわし、問題は一見解決したかに思われた。しかし、これらの薬品の濫用の結果、抗生物質や農薬に抵抗性を示す病原菌や病害虫の系統が現れた。また、自然に存在して、病気や病害虫を抑えていた多くの有用微生物や天敵類が失われた結果、新たな病気や病害虫が発生するようになった。本書は、こうした問題の解決のために行われている21世紀の革新的技術について多くの実例を紹介し、これまでのように人類が自然と対決するのではなく、自然を味方につけることを主張している。

第1部「自然の味方」では、自然にある私達の味方になる微生物について述べている。これまでは、自然には特定の病気や病害虫が単独に存在して人や農作物を襲うと考えられて来た。しかし、これらの微生物は他の多くの無害な微生物と共存して「微生物群」を形成し、競争しあっている。人体にも多くの微生物がおり、そのうち、病原性のあるものが優勢になった時に病気が発生する。農作物の場合には土の中の微生物群が、特定の病原菌が多くならないように働いている。しかし、抗生物質や農薬が、こうした「微生物群」を無差別に攻撃した結果、人の病気や作物の病害虫を増やす結果となっている。

第2部「敵の敵は友」では、私達の敵である微生物と闘っている微生物や自然の化学物質を、私達の友としていかに利用すべきかについて述べている。ある病原菌は、それを特異的に食うウイルス―バクテリオファージによって制御される。作物害虫の場合には、昆虫の雌雄の交信のために使われている性フェロモンを製剤化して畑に充満させることによって、害虫の交尾妨げて、防除の目的を果たすことができる。さらに、害虫の被害を受けた作物が、ある化学物質を放出することによって、さらに害虫が来ることを防ぐとともに、害虫の天敵を呼び寄せる働きがあることが分っている。

第3部「遺伝子が世界を変える」では、病原微生物を抑えるための遺伝子組み換え技術の利用について述べている。昆虫の病気をおこすバチルス・チューリンギエンシス(Bt)のDNAを遺伝子組み換えによって組み込んだ作物は大豆、コムギ、アブラナ、ワタなど多くの作物で実用化されている。著者は遺伝子組み換えへの反対論があることについては、病害虫抵抗性の品種を短期間に育成するための遺伝子組み換えのような技術は認めるべきだという。また、インフルエンザのようにそのウイルスの系統が毎年変化する病気に対応して、速やかにワクチンを作ることも遺伝子組み換えによって容易になっている。

第4部「敵を知る」では、病気の原因が不明な場合には抗生物質や農薬が無差別的に使用され易いことから、人や作物の病気の原因をより早く正確に診断する方法について述べている。かつては、専門家の不在や、都会から遠隔の地では病気の原因が容易にわからなかったが、病原体のDNA塩基配列を簡単に判別する機器によって診断が可能になり、またスマートフォンに代表される情報通信機器の発達が作物病害虫の映像による診断を加速しつつある。

著者がこの本で強調しているのは、人間の健康と食物を守るために抗生物質の有効性を維持し、農薬の使用を減らすことである。そのためには、最近のゲノム学、コンピューター科学の進歩を取り入れ、自然と敵対するのではなく、自然を味方につけた解決法を生み出すことが大切であると述べている。

筆者が作物病害虫防除の研究を始めた1960年代は「農薬全盛」の時代であった。しかし、人畜毒性、天敵の減少、薬剤抵抗性病害虫の出現など、さまざまな農薬の問題点が明らかになった。そこで、1970代から、農薬の使用を最小限に減らすために、天敵利用、性フェロモン剤、病害虫抵抗性品種、物理的防除法などをとりいれた総合的病害虫管理(IPM)の研究が始まり、筆者もその一翼を担って来た。このたび本書の原書を読んで、同じ問題が医薬にも及んでいることを知り、翻訳するとともに、IPM研究がこれから益々盛んになることを願って、ここに紹介するものである。

宮崎大学農学部では、プラントクリニックの設立を記念して、以下の要領でシンポジウムを開催いたします。奮ってご参加のほど、よろしくお願いいたします。


International Symposium for Conservation Biological Control -The 1st memorial Symposium for starting up Plant Clinic
保全的生物的防除に関する国際シンポジウム ~プラントクリニック設立記念シンポジウム~

  • 【演題】
  • 1. プラントクリニックによる農家支援のための保全的生物的防除を基幹としたIPM
     (宮崎大学農学部 大野 和朗)
  • 2. CBC for Organic Vineyards
     (Prof. Geoffrey Gurr, Charles Sturt University, Australia)
  • 3. オクラ栽培圃場での減農薬害虫管理
     (鹿児島県農業研究センター 柿元 一樹 博士)
日時:
3月28日(水) 15:30(開場)~18:00
場所:
宮崎大学創立330記念交流会館コンベンションホール
主催:
宮崎大学農学部プラントクリニック
後援:
一般社団法人日本応用動物昆虫学会
連絡先:
大野 和朗
E-Mail: ohnokcc.miyazaki-u.ac.jp
TEL: 0985-58-7578

光防除に関する技術情報について

昆虫の視覚応答反応を利用した防除技術「光防除」について、最新の研究成果や試験データをまとめたものが、月刊「植物防疫」において公表されました。関係者の皆様には、ぜひご活用いただけますよう、お願い申し上げます。

「特集: 光と色を利用した害虫防除技術の新展開」(植物防疫 第72巻第3号)

  • 【目次】
  • 特集によせて
     農研機構 中央農業研究センター 本多 健一郎
  • 光防除技術開発の最近の進展
     農研機構 生物機能利用研究部門 霜田 政美
  • 温室メロンにおける赤色光を利用したミナミキイロアザミウマ防除技術
     静岡県農林技術研究所 石川 隆輔・土井 誠・中野 亮平・片山 晴喜
  • 新型赤色系防虫ネットの各種微小害虫に対する防除効果
     京都府農林水産技術センター 德丸 晋・伊藤 俊
  • 青色光を用いたチャノコカクモンハマキの防除技術
     農研機構 果樹茶業研究部門 佐藤 安志
  • 青色光照射による殺虫技術の開発
     東北大学 大学院農学研究科 堀 雅敏
  • 紫色LEDによる天敵カメムシの行動制御技術
     筑波大学 生命環境科学研究科 荻野 拓海・戒能 洋一
     農研機構 生物機能利用研究部門 上原 拓也・山口 照美・霜田 政美
  • 施設微小害虫の色彩誘引の特徴と色彩トラップの利用
     兵庫県立農林水産技術総合センター 八瀬 順也
  • 光捕虫器の農業利用における課題と可能性: エッジ効果を利用した捕獲効率の改善
     石川県立大学 生物資源環境学部 弘中 満太郎
     宮城県農業・園芸総合研究所 関根 崇行・宮本 武彰・増田 俊雄
  • アオドウガネ成虫を誘引するLED光源の最適波長の探索および誘引距離の推定
     沖縄県農林水産部営農支援課 永山 敦士
     沖縄県農業研究センター 新垣 則雄・澤岻 哲也
     興南施設管理株式会社 屋良 一寿

なお、本年度の応動昆大会(I会場「視覚イメージを利用した害虫管理を学ぶ会」光防除小集会)において、本特集の別刷を配布します。部数に限りはございますが、関係者の皆様にご利用いただければ幸いです。

この度、下記のとおり蚊やマダニなど病原体媒介節足動物に関する国際シンポジウムを開催します。本シンポジウムは今年で4回目を迎え、ヤブカ・ハマダラカ・サシガメ等を研究する国内外の気鋭の研究者らによる講演が予定されています。奮ってご参加いただければ幸いです。

第4回東京ベクターエンカウンター「病原体媒介節足動物研究の最前線」

日時:
平成30年3月22日(木) 13:00~17:00
場所:
東京慈恵会医科大学(大学1号館3階講堂)
 ※ 最寄り駅: 新橋駅・虎ノ門駅・神谷町駅・御成門駅から徒歩5-10分
 会場までの地図
参加費:
無料(参加登録不要)
言語:
英語(同時通訳はありません)
備考:
シンポジウム終了後、18:00より大学内で懇親会を催します(参加無料)
東京慈恵会医科大学 衛生動物学研究センター
AMED 医療分野国際科学技術共同研究開発推進事業
プログラム:
13:10 程 功(中国・清華大学)
Story of Arboviral Lifecycle: Acquisition Mechanism From Hosts to Mosquitoes
13:50 陳 俊宏(台湾・國家衛生研究院)
The role of C-type lectin GCTL-3 on embryo melanization and anti-viral activity
14:45 浅野 眞一郎(北海道大学)
Bacillus thuringiensis for mosquito control
15:15 佐々木 年則(国立感染症研究所)
Humoral and cellular immunity in mosquitoes and innate immunity of mosquitoes against arbovirus
16:00 松本 圭司(大阪市立大学)
A question over 80 years - Identification of a juvenile hormone of Rhodnius prolixus
16:30 アボバカ・ソンビエ(ブルキナファソ・ワガ第一大学)
Morphological variations, breeding sites partitioning and susceptibility to insecticides of the dengue vector Aedes aegypti in Burkina Faso

ご参加のほど、どうぞよろしくお願い申し上げます。

9th Congress of International Society of Hymenopterists のご案内

今年の7月23日~27日にかけて,愛媛大学(松山市)において9th Congress of International Society of Hymenopterists (国際膜翅目学会第9回国際会議)を開催します.分類学や系統学をはじめ,進化学,古生物学,行動生態学,生理学,生物的防除など,ハチ目に関する幅広く分野横断的な議論が行われます.講演は口頭発表とポスターセッションの2種類で行われ,使用言語は英語です.いずれも単一の会場で行い,ハチに関わる統合知の形成(コンシリエンス)を目指します.

講演申し込みの締切は4月30日(月)です.詳細はウェブサイトをご覧ください.皆様のご参加を心よりお待ちしております.

大会ウェブサイト:
https://sites.google.com/site/ishcongress9/
問い合わせ先:
慶応義塾大学 高須賀 圭三 (keizaf(at)gmail.com)
※ @を(at)に代えてあります

ABS対応に関するシンポジウム等の開催について

この度、2018年3月14日(水)にシンポジウム「名古屋議定書対応に向けた大学体制構築のための意見交換会」を開催し、すでに体制構築を進めている大学関係者にご講演・ご討論をいただきます。また、韓国において、遺伝資源を取得するときには韓国政府への届け出が、本年8月19日より必要となり、韓国と遺伝資源の取得を行うことを計画している方は、新たな対応が必要となります。このような中、韓国でABSの支援活動を行なっているKRIBB (Korea Research Institute of Bioscience & Biotechnology)のABS Research Support Centerの方々を招聘し、2018年3月22日(木)に韓国の新しい制度についてご説明いただきます。詳細については、下記をご覧いただき是非ご参加くださいますようお願い申し上げます。

1) 「名古屋議定書対応に向けた大学体制構築のための意見交換会」
~大学におけるABSへの取り組みと対応体制について~
日時: 2018年3月14日(水) 13:00~16:00
会場: KP東京駅日本橋カンファレンスセンター ホール4A
2) 国際ワークショップ「韓国遺伝資源の取得とその利用」
~韓国遺伝資源に対するABS対応の実際~
日時: 2018年3月22日(木) 13:00~16:00
会場: AP東京八重洲通り 13階ルームA

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