応動昆、持続可能な社会を目指して: 一般社団法人 日本応用動物昆虫学会

新刊紹介 植物アロマサイエンスの最前線 〈植物はなぜ香りを発するのか〉

(2014年6月 6日公開)

有村源一郎、矢﨑一史、髙林純示、川北 篤 著 (2014) フレグランスジャーナル社
A5判 170頁 2,500円+税
ISBN 978-4-89479-242-5

動けない植物たちの香りを使った巧みな生存戦略をご存じですか?
会話、立ち聞き、救助要請、誘惑、報酬、詐欺…本書では、こうした植物アロマサイエンスの世界へご案内します。
植物が香りをつくるのは、自身の免疫力を高め、環境に適応するためだけではありません。食害する虫に対して救助要請とばかり天敵を呼ぶこともあれ ば、仲間に危機的な状況を知らせることもある。
送粉の手助けをしてくれる虫を招き蜜を与えて共生することもあれば、だましておびき寄せ、調子よく利用する場合もある。これらはみな、植物が発す る香りのなせる技なのです。
本書では、植物がどのように香りをつくり出すのか、その多彩なブレンダーぶりや、植物が香りを使ってどんなことをしているのか、生命の神秘にもつ ながる生き様が繰り広げられます。さらに、そうした植物の香りをどのように人間が生活に取り入れてきたのか、また環境への影響にも迫ります。
本書からぜひ「植物の声」、香りを聞き取ってください。

(東京理科大学 有村源一郎)