応動昆、持続可能な社会を目指して: 一般社団法人 日本応用動物昆虫学会

東京農業大学 生物的防除部会 2019年度 第2回講演会のお知らせ

(2019年11月 7日公開)

    下記のとおり生物的防除部会 2019年度第2回講演会を下記の通り開催いたします。 会員の皆様はじめ多くの方がご参加くださいますようお願い致します。

  • 日時:2019年 11月12日(火)午後2時~5時
  • 場所:東京農業大学 1号館 4階 444室
  • 講演会:

  • 演題1「大型園芸施設でのイチゴ栽培のIPM技術」
  •    株式会社GRA 菅野 亘 氏
  • 講演要旨
  • イチゴの高設養液栽培では、ハダニ、アブラムシ、アザミウマなどの微小な難防除害虫やうどんこ病、灰色カビ病などの病害が発生する。 これらの病害虫では薬剤に対する抵抗性・耐性の発達が進んでおり、既に化学合成農薬のみでの防除が難しいのが現状である。 この問題に対応するために、定植苗の高濃度炭酸ガス処理による殺虫殺ダニ処理、ミヤコカブリダニ、チリカブリダニなどの天敵製剤の利用、 UV-Bの照射によるうどんこ病の予防など、化学農薬以外にもいくつかの手段を用いたIPMをおこなっているのでそれらの技術を紹介する。

  • 演題2「IPMにおけるフェロモン利用-貯榖害虫モニタリングを中心に」
  •    富士フレーバー株式会社 エコモン事業統括部 中川 りき 氏
  • 講演要旨
  • 我々人類の「食」を脅かす害虫は、農場だけにいるのではない。収穫後の穀物を保管・加工する工場・倉庫等の屋内環境においてもまた、 毎年約10%の食品が貯穀害虫によって失われるといわれている。しかし、IPMの提唱以降、農業分野については交信攪乱・天敵利用等、 その取り組みについて一定の認知が形成されつつある一方、屋内環境における貯穀害虫管理の実際については、業界外にあまり知られていない。 そこで本講演では、屋内環境におけるIPM実践について、その根幹を支えるモニタリングと広義の生物的防除資材であるフェロモントラップの話題に フォーカスしつつ、取り組みと課題をご紹介したい。

  • 演題3 「バイオマス発電と連動したトリジェネレイション型メガ温室における天敵利用とIPM防除について」
  •    サラ菜園 技術アドヴァイザー(非常勤取締役)和田 哲夫 氏
  • 講演要旨
  • 本年3月より稼働した岡山県笠岡市のサラ菜園(12ヘクタール陽圧ハウス)においてミニ・プラムトマト5ヘクタール、パプリカ4ヘクタール、 レタス2ヘクタールの栽培が開始された。笠岡干拓地での大型ハウスはでの懸案は、夏季の高温であったが、オランダ、 米国で開発されたハウス内を陽圧にする技術、併設するバイオマス発電からの熱エネルギー、二酸化炭素の供給という合理的利用を実現することにより、 年間を通じた野菜栽培が可能となった。その基本条件の一つである、病害虫防除に、 日本で改良された生物防除が通用するかの現実段階での利用の状況について報告する。

  • 講演会聴講料 一般:2000円
  •       (ただし、生物的防除会会員・学生・農大教職員・報道関係者は無料)
  • 講演会終了後、講演者らを囲んでの懇親会(参加費3000円)を予定しています。ぜひご参加ください。
  • お申込みの際は 所属・お名前・講演会への参加・懇親会への参加をお知らせください。
  • 講演会への参加申し込み・お問い合わせは生物的防除部会事務局 厚井隆志(takashi.koi[at]nifty.ne.jp)まで ※@は[at]に変えてあります
  • 和田哲夫(東京農業大学総合研究所)