応動昆、持続可能な社会を目指して: 一般社団法人 日本応用動物昆虫学会

東京農業大学総合研究所研究会 生物的防除部会 2023年度第2回講演会のご案内

(2023年10月19日公開)

  • 開催日時: 2023年11月16日(木)13:00~16:10
  • 開催形式: 会場およびZoomウェビナーによるハイブリッド形式
  • 会 場: 東京農業大学 世田谷キャンパス 国際センター2階榎本ホール
  • 参加申込方法: 以下のリンクより申込フォームにアクセスし、お名前とメールアドレス、会場またはオンラインによる参加のご希望をご入力のうえ送信してください。オンライン参加を希望される方には、開催日前日までにZoomウェビナーの接続情報をメールでおしらせいたします。https://forms.gle/9MRbTF7mguzKRb2UA

  • プログラム
  • 13:00~14:00
  • 演題1「ハダニピークを作らないイチゴ栽培を目指して―"JA全農イチゴハダニゼロプロジェクト"」
  • 中島 哲男氏(全国農業協同組合連合会 耕種資材部農薬課)
  • 全農と農薬メーカーが共同で、2020年より実施してきたイチゴのハダニを防除対象としたプロジェクトの成果を報告する。イチゴの育苗期から本圃までを包括したハダニピークを作らないプログラムを提案したい。天敵ミヤコカブリダニ放飼時のハダニゼロの実現には、育苗期の葉裏への薬剤付着率向上のための散布液量確保とノズルの適正な選択が必要であり、その後1か月間のハウス内湿度維持もカブリダニ定着に重要であることが明らかになった。また、殺ダニ剤に気門封鎖剤を加用すると効果改善が認められることや気門封鎖剤への湿展性展着剤を加用による薬害軽減効果についても紹介したい。

  • 14:00~15:00
  • 演題2「果樹類におけるIPM、天敵農薬普及状況と課題」
  • 田中 栄嗣氏(アリスタライフサイエンス株式会社 マーケティング部)
  • 果樹の重要害虫であるナミハダニやカンザワハダニなどのTetranychus属のハダニ類は、世代交代が速く、薬剤抵抗性が発達しやすい害虫として知られている。化学合成殺ダニ剤に依存した慣行防除には限界があるため、リンゴ、ナシ、施設ブドウ、施設ミカンなどの果樹のハダニ管理において、天敵農薬を利用した総合的病害虫防除体系の構築が各作物、各地で試みられ、体系化されている。本発表では、アリスタライフサイエンスがこれまでに実施してきた取り組みをまとめると共にさらなる普及拡大に向けた課題について考えてみた。

  • 15:10~16:10
  • 演題3「「振動」をIPM技術の一つとするために―宮城県における振動防除技術の実用化に向けた取り組み」
  • 大江 高穂氏(宮城県農業・園芸総合研究所 園芸環境部虫害チーム)
  • 物理刺激である振動は昆虫や植物に様々な作用があることから、振動を利用した害虫防除及び受粉促進の効果について、国、大学、県、企業など複数の機関で研究が進められている。宮城県農業・園芸総合研究所はトマトのオンシツコナジラミを対象に振動を用いた防除、受粉促進技術の開発に取り組んできた。演者らは、生産者がごく当たり前に振動技術をIPM技術の一つとして活用できるようになることを目標に、振動条件の解明、現地への導入、マニュアルの作成など、技術の実用化に向けた取り組みを進めてきた。これまでの取り組みの概要、今後の目標について紹介したい。

  • 生物的防除部会 事務局: 厚井 隆志(e-mail: takashi.koi(at)nifty.ne.jp) ※@は(at) に変えてあります

森 光太郎 (石原産業(株)中央研究所)