新刊紹介「博士の愛したジミな昆虫(岩波ジュニア新書)

  • 書誌名: 博士の愛したジミな昆虫(岩波ジュニア新書)
  • 著者・編者: 金子 修治・鈴木 紀之・安田 弘法(編著)
  • 出版日: 2020年4月17日
  • 出版社: 岩波書店
  • 総ページ数: 266
  • ISBN: 978-4-00-500916-9 C0245
  • 定価: 880円(税別)

この本は、当学会の大会で5回にわたって開催された小集会「温故知新・昆虫生態学の大先輩から学ぶ」から生まれました。その世話人3人が小集会の三次会で、「こんな本があったらいいな」と熱く語り合ったのがきっかけです。

こんな本とは、「虫たちのこと、そして、その生きかたを研究する楽しさを若い人たちに伝えたい。」というものです。そのために本書では、教科書とは違って、「それぞれの研究者が、研究対象とした昆虫について、その謎を解いていく研究プロセスとそのワクワク感を、これまでの研究での実体験をスパイスとして加えながら楽しく伝える。」ことを目指しました。
そして本書は、昆虫生態学のうち、進化生態学、化学生態学、個体群生態学、群集生態学などの多分野にわたって、その第一線の研究者10名が執筆しています。さらには、外来種、害虫防除、生物多様性などの応用分野もカバーしています。また、それぞれの分野の基礎概念や専門用語等についても、わかりやすく説明しています。

このため本書は、昆虫に興味がある高校生や一般読者を主な対象としているものの、大学での基礎科目「生物学概論」や「生態学概論」、「昆虫学概論」などの副読本としても適しています。もちろん、昆虫関係の大学院生や研究者が読んでも、とても楽しめる非常に充実した内容となっています。

ぜひ、ご一読ください。