生物的防除部会主催の講演会を下記のとおり会場およびオンラインにて開催いたします。ふるってご参加くださいますようおねがいいたします。
生物的防除部会2025年度第1回講演会
開催日時:2025年11月17日(月)13:00~16:10
開催形式:会場およびZoomミーティングによるハイブリッド形式
会場:東京農業大学世田谷キャンパス 国際センター2階 榎本ホール
参加費:無料
参加申込方法:以下の申込フォームにお名前とメールアドレス、会場またはオンラインによる参加のご希望を(会場で参加されるかたは懇親会参加のご希望も)ご入力のうえ送信してください。オンライン参加を希望されるかたには、開催日前日までにZoomミーティングの接続情報をメールでおしらせいたします。
https://forms.gle/CW5fQHyP1b4XVJYQ7
プログラム:
13:00~14:00
演題1「マメシンクイガ成虫の行動リズムに及ぼす光の影響と光照射による防除効果」
齊藤美樹氏(北海道立総合研究機構中央農業試験場)
有機栽培ダイズで被害が深刻なマメシンクイガについて、光照射による防除効果を検討した。成虫は薄暮性で概日時計により行動が制御されており、夜間照明によってリズムが攪乱されることが明らかになった。圃場試験では、ピーク波長 448~458nm の青色 LED 照射により被害粒率が無処理の 30~50%に低減し、ダイズ生育への影響もわずかであった。光照射によって交尾行動や圃場への侵入が抑制された可能性があり、今後はその作用機構の解明とともに、圃場外縁を照射する「光の障壁」や専用 LED 機器の開発を進め、大規模圃場への応用を目指している。
14:00~15:00
演題2「害虫の細胞内共生微生物をターゲットとした害虫防除について」
大畑裕太氏(岐阜大学大学院連合農学研究科特別研究協力員)
これまで、WolbachiaやRickettsiaなどの細胞内共生微生物が、昆虫の性決定や生殖様式を操作することが報告されてきた。本講演では、これら共生微生物の機能に関する基礎研究や、抗菌剤の散布による共生系の撹乱を介した害虫制御の応用可能性を紹介します。さらに、インゲンマメに生える毛(毛茸)が、害虫の付着や産卵を抑制する一方で、寄生蜂の行動は阻害しないという「選択的トラップ」として機能することを明らかにした研究事例も紹介します。本講演では、これらの知見を活かした新たな生物的防除の展望について発表します。
15:10~16:10
演題3「バクテリオファージによる難防除害虫の防除―青枯革命を例として」
原島俊明氏(パネフリ工業株式会社環境科学研究所)
バクテリオファージは細菌に感染するウィルスである。この天敵となるバクテリオファージを活用し、ナス科作物を中心に 300 種類以上の植物で被害を出す難防除土壌細菌病害、青枯病の生物農薬『青枯革命』を開発した。有効成分のバクテリオファージは国内の土壌から単離したもので、トマトやなす、ピーマン、馬鈴薯、タバコといったナス科作物やショウガやウコンといったショウガ科作物、シソやエゴマといったシソ科作物の青枯病菌 150 株以上に感染し、殺菌する。本講演ではこのバクテリオファージの特徴をはじめ、青枯革命の使用方法や効果を紹介する。
17:00~
懇親会(参加費:3000円)
連絡先:生物的防除部会 事務局:厚井隆志(e-mail: takashi.koi(at)nifty.ne.jp ※@は(at)に変えてあります)
石原産業(株))森光太郎(生物的防除部会幹事)