開催日時:2025年2月26日(水)13:00~17:10
開催形式:会場およびZoomミーティングによるハイブリッド形式
会 場:東京農業大学世田谷キャンパス 国際センター2階 榎本ホール
参 加 費:無料
参加申込方法:以下の申込フォームにお名前とメールアドレス、会場またはオンラインによる参加のご希望を(会場で参加されるかたは懇親会参加のご希望も)ご入力のうえ送信してください。オンライン参加を希望されるかたには、開催日前日までにZoomミーティングの接続情報をメールでおしらせいたします。 https://forms.gle/BLzwk5PobcPRpHZH8
プログラム:
13:00~14:00
演題1「ブラジルにおけるバイオペスティサイドとバイオスティミュラントの興隆の理由とは?」
和田哲夫氏(ジャパンアイピーエムシステム株式会社)
14:00~15:00
演題2「共生微生物の定着による植物免疫プライミングのメカニズム」
仲下英雄氏(福井県立大学生物資源学部)
15:10~16:10
演題3「微生物除草剤の歴史と課題解決に向けた新展開」
泉真隆氏(京都大学大学院農学研究科農学専攻雑草学分野)
16:10~17:10
演題4「生物農薬等を活用した総合防除(IPM)の推進」
藤井達也氏(農林水産省消費・安全局植物防疫課)
17:30~19:30
懇親会(国際センター1階ホールにて。会費3000円)
要 旨:
演題1「ブラジルにおけるバイオペスティサイドとバイオスティミュラントの興隆の理由とは?」
和田 哲夫氏(ジャパンアイピーエムシステム株式会社)
2023年の秋(ブラジルでは、春)に訪伯した際、同国の化学農薬の市場が1兆円を数年まえに超えていたことは知ってはいたものの、生物的防除やバイオスティミュラントの利用が拡大していることについては、わずかに耳にするばかりであった。驚くべきことに2022年には、この二つの分野の販売金額はすでに1000億円に達していたということであった。現地を巡回する機会に恵まれたため、日本の生物防除、バイオスティミュラントの発展にも役立つ情報を入手したので、その概要について説明する。簡潔に述べれば、その理由は、野外作物での利用の拡大、登録制度の柔軟性、企業間の競争による市場拡大である。
演題2「共生微生物の定着による植物免疫プライミングのメカニズム」
仲下 英雄 氏(福井県立大学生物資源学部)
病原菌や害虫の攻撃を契機として全身的に誘導される病害抵抗性の誘導と制御では、サリチル酸やジャスモン酸等の植物ホルモンが重要な役割を担っているが、これらの病害抵抗性と生育はトレードオフの関係にある。一方、生育と両立可能な全身性病害抵抗性として植物免疫機構のプライミングが知られ、これは自然界ではアーバスキュラー菌根菌等の共生微生物の定着によって誘導される。本講演では、植物免疫プライミングにおける病害抵抗性増強機構などのメカニズムについて紹介し、その活用可能性について議論する。
演題3「微生物除草剤の歴史と課題解決に向けた新展開」
泉 真隆 氏(京都大学大学院農学研究科農学専攻雑草学分野)
化学農薬に対する抵抗性発達や規制強化により、新たな防除技術の開発が急務となっている。その代替技術として微生物農薬が注目されているが、除草剤分野では過去に研究開発が盛んに行われたものの、期待されていた市場形成には至らなかった歴史がある。一方で、科学技術の発展や新たな微生物除草剤の上市など、近年新たな動向が見られ、微生物除草剤への期待が再び高まっている。本講演では微生物除草剤の歴史から研究開発における課題について整理し、近年の新展開を踏まえてその解決策について議論する。
演題4「生物農薬等を活用した総合防除(IPM)の推進」
藤井 達也 氏(農林水産省消費・安全局植物防疫課)
改正植物防疫法に基づく総合防除(IPM)の推進や、みどりの食料システム戦略に掲げる化学農薬使用量の低減目標に資する取組の1つとして、生物農薬やフェロモン剤等の利活用が期待されている。また、農薬登録規制を含む環境負荷低減や持続可能性を意識した農業政策等により、世界の生物農薬市場は今後も着実な拡大が見込まれている。我が国における生物農薬等の登録推移や出荷状況、普及拡大に向けた官民での取り組み等について、植物防疫に関する国際的枠組みやアジア・太平洋地域における生物農薬の利用状況を交えながら紹介したい。
連絡先:生物的防除部会 事務局:厚井 隆志(e-mail: takashi.koi(at)nifty.ne.jp)※@は(at)に替えてあります
森光太郎(生物的防除部会幹事/石原産業(株))